2025 年 52 巻 2 号 p. 79-85
【目的】本研究の目的は,気腫合併肺線維症患者に対する運動療法の多様性を要約すること,および研究ギャップを明らかにすることである。【方法】本スコーピングレビューは,2024年3月に9つのデータベースにて検索を行った。肺気腫と肺線維症の両方を有する参加者に運動療法を行った研究を対象に,研究の特徴,介入の特性,報告された介入後の結果について要約した。【結果】29件の研究が特定され,対照群と比較した介入研究はなく,ほとんどが学会抄録の形式で報告されていた。運動療法の内容は,全身持久力トレーニングおよび筋力トレーニングが低強度から実施されていた。介入後の結果について,呼吸機能や最低percutaneous oxygen saturation,自覚症状,身体機能,健康関連quality of lifeや身体活動性などが報告されていた。【結語】今回の結果から,気腫合併肺線維症患者に対する運動療法のエビデンスは不十分であることが明らかとなった。