論文ID: 11162
【目的】頭皮- 皮質間距離が経頭蓋磁気刺激(以下,TMS)を用いた下肢一次運動野の運動誘発電位(以下,MEP)に及ぼす影響を検討することを目的とした。【方法】対象は健常成人10 名とした。TMS を用いて左下肢一次運動野を刺激し,右前脛骨筋からMEP を記録した。安静時運動閾値(以下,rMT),rMT の100,110,120,130,140% のTMS 刺激強度におけるMEP 振幅値,二乗平均平方根値(以下,RMS 値)を解析した。頭皮- 皮質間距離は,核磁気共鳴画像法によるT1 強調画像から,頭頂部と左中心前回頂部との距離を算出した。MEP の各解析項目と頭皮- 皮質間距離との相関を検討した。【結果】頭皮- 皮質間距離は140%rMT のMEP 振幅値およびRMS 値との間に有意な負の相関関係を認めた。【結論】下肢TMS によるMEP 測定は,頭皮- 皮質間距離の影響を受けることが示唆された。