理学療法学
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胃癌開腹術後の合併症予測因子としての6 分間歩行距離の有用性
藏合 勇斗小野 秀高芹澤 健輔水守 啓介岩瀨 聡增井 綾乃小野寺 礼真松本 卓井上 順一朗
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論文ID: 11675

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抄録

【目的】本研究では胃癌開腹術後の合併症にもっとも影響する因子を検討した。【方法】対象は術前から周術期リハビリテーションを実施した24 例とし,術後合併症発症群と術後合併症発症なし群の2 群に分け統計学的に比較検討した。また,もっとも術後合併症に影響する因子を抽出するため,ロジスティック回帰分析を行った。さらに,ROC 曲線を用いてカットオフ値を算出した。【結果】術前6 分間歩行距離は,術後合併症発症群にて有意に低値であった。ロジスティック回帰分析の結果,選択された因子は術前6 分間歩行距離のみでありROC 曲線の結果カットオフ値は300 m であった。【結論】本研究において,胃癌開腹術後の合併症には術前6 分間歩行距離がもっとも影響していることが示された。術前6 分間歩行距離は胃癌開腹術後の合併症予測因子として有用であり300 m 以下の患者に対しては術前から,より積極的なリハビリテーションや運動耐容能に着目した指導を行うことが重要であると考えられる。

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© 2020 日本理学療法士学会
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