理学療法科学
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McKenzie法による腰痛症の構造的診断法
安藤 正志
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2001 年 16 巻 4 号 p. 239-248

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抄録

McKenzieは,自らの臨床経験と臨床研究を積み重ねることによって腰痛症に対する治療体系を確立した。本論文ではMcKenzieが提唱した腰痛症に対する構造的診断法の考え方と具体的な診断までの手順を紹介している。McKenzieは,腰痛症の症状の現れ方と検査運動に対する反応の現れ方に基づいて,腰痛症をPostural syndrome,Dysfunction syndrome,Derangement syndromeの3つの診断カテゴリーに分類している。Postural syndromeは,悪い姿勢を長時間とることによって引き起こされる腰痛で若い女性に多い。Dysfunction syndromeは可動域制限を伴った腰痛で中高年齢の男性に多い。Derangement syndromeは椎間板内の異常に起因する腰痛で中年男性に多い。McKenzieは,これらの診断を決定するために独自の評価システムを紹介している。評価項目は,一般的事項に関する質問,病歴に関する質問,理学的検査項目群の3項目からなる。これらの評価から得られた情報に基づき,構造的診断を行う。

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© 2001 by the Society of Physical Therapy Science
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