理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
精神分裂病患者の日常生活動作
-FIMを用いた検討-
仙波 浩幸関口 毬子中山 均南雲 浩隆今村 陽子須田 美雅福田 典子阪田 薫関根 正幸菊地 善行橋本 亜紀子青木 祐二小坂 恒代春日 武彦
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2002 年 17 巻 1 号 p. 71-75

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抄録

本研究は,慢性精神科病棟に入院する精神分裂病患者の日常生活動作について機能的自立度評価法(FIM)を用いて評価し,各日常生活動作項目の難易度,類似性や関連性,加齢による能力低下を明らかにし,日常生活動作の障害構造を究明することを目的とした。平成12年10月現在東京都立松沢病院慢性精神科病棟に入院中の精神分裂病患者478名のうち無作為抽出した男性36名57.9±10.1歳,女性95名58.6±12.6歳計131名を対象とした。日常生活動作の難易度を各項目の平均値および標準偏差から判断した。また,各項目の類似性や関連性はクラスター分析で求めた。その結果,18項目は3クラスターにわかれた。精神分裂病患者の日常生活動作の難易度や構造は,非精神疾患患者のそれらとは大きく異なり,運動機能と精神機能の間には深い関連があることが推測された。精神分裂病患者の日常生活動作の向上を図る方策として,3つのクラスター毎にそれぞれプログラムを作成する必要がある。

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© 2002 by the Society of Physical Therapy Science
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