2002 年 17 巻 2 号 p. 107-112
本研究の目的は,高齢者・障害者同居住宅の平面構成の特性を明らかにすることである。そのために,住宅平面の類型化を用いた手法を新たに考案し,北海道内の新築事例から障害者住宅と一般住宅とを比較検討した。得られたサンプル数は障害者住宅が65,一般住宅が70だった。その結果,障害者住宅は,一般住宅に比べて本人の寝室に2つの動線をもつ「回廊型」が有意に多いことが示された。また,障害者住宅は類型化した全てのタイプに分散され,さらにトイレ・浴室が本人専用であることから疑似型が生じた。従って,障害者住宅の平面特性として「回廊型」が多く,多様性であることが示唆される。