2002 年 17 巻 4 号 p. 215-220
2000年の介護保険制度の導入を契機に,在宅を基盤としたリハビリテーションサービスの充実が求められている。しかしながら,在宅訪問活動への理学療法士のかかわりは極めて貧弱な実態と言わざるを得ない。リハビリテーション医療は急性期から回復期,さらには長期慢性期における維持期リハビリテーションといった一連の流れが形成されることが重要となってくる。とりわけ在宅維持期リハビリテーションにおいては各種在宅サービスの有機的な連携を必要不可欠とするケアマネジメントの視点が重要となってくる。さらには対象者を生活者としてとらえ,生活モデルとしてのアプローチが重要となってくる。診療所・訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーション活動の実際を通じて,在宅リハビリテーションにおける理学療法士の役割を検討する。