理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
ヒールの高さが妊婦歩行に与える影響
山本 祐子遠藤 美香菅原 亜子徳原 理恵溝辺 夏子勝平 純司藤沢 しげ子
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キーワード: 妊婦, ヒール, 歩行分析
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2004 年 19 巻 2 号 p. 107-110

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抄録

我が国では,転倒の危険性から妊婦はヒールのない靴を履く習慣がある。また,最近では妊婦は2-3 cmのヒール靴を履いた方がよいという報告もある。しかし,妊婦がヒール靴を履いた際の効果を明らかにした研究は少ない。そこで我々はバイオメカニクスの観点からヒール靴が妊婦歩行に与える影響を調べることを目的とした。妊婦を対象とした研究を行うための基礎データとして,7名の健常成人女性に妊婦体験ジャケットを装着させ,ヒールのない靴と3 cmのヒール靴を履いた際の基礎的な歩行パラメーターと下肢関節モーメントを4枚の床反力計と三次元動作分析装置を用いて計測し比較した。その結果,3 cmのヒール靴を履いた際の足関節底屈モーメントに,4.1%の減少が認められた。このことから,3 cmのヒール靴が足関節底屈筋群への負担を軽減させる可能性が示唆された。

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© 2004 by the Society of Physical Therapy Science
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