19 巻 (2004) 4 号 p. 269-274
中国では,少子高齢化による高齢者人口の増加ならびに交通事故や労働災害による障害者の増加から理学療法士の養成が急務となっている。本研究では,中国における理学療法士の教育,臨床での役割,卒後教育の現状を把握し,中国における理学療法士教育の改善に寄与することを目的として調査を行なった。その結果,中国の理学療法士の特徴は医師,看護師などからの転職が多いため,全体的に学歴が高く,年齢も若干高いが,経験年数が少ない。対象疾患の第1位は脳血管障害であり(約半数),対象障害の第1位は片麻痺である(約半数)。また,理学療法士の社会的認知度については,名前・仕事内容もまだ十分に理解され,認められていない。人口1万人あたりの理学療法士数において,日本は1.6名に対し,中国は0.1名であり,極めて少ない状況である。従って,中国における理学療法士の質・量ともにまだまだ不足しているのが現状である。今後専門職としての理学療法士の養成数を増大し,教育面においても充実することが必要であるとの結論に達した。