20 巻 (2005) 1 号 p. 25-31
本研究の目的は,高這位パターンでの床から立ち上がり動作の経過中にみられる高這位姿勢において,体幹前傾角度の違いが脊柱起立筋の筋活動に及ぼす影響を明らかにすることである.対象は,平均年齢20.0±2.1歳の健常若年者30名(男20,女10)であった.先ず,床からの立ち上がり動作中の体幹前傾角度の推移を2次元動画解析システムにて計測した.次に,高這位姿勢(体幹前傾角度が30°,60°,90°となる肢位)での脊柱起立筋の筋電図を膝伸展位と膝屈曲位で測定した.筋電図の積分値データは最大随意収縮を基準に正規化(%MVC)した.その結果,体幹前傾角度は高這位姿勢で最大(109.9±5.9°)となった.脊柱起立筋の%MVCは,体幹前傾角度30°では膝伸展位,膝屈曲位ともに90°より有意に大きかった.60°では膝屈曲位が膝伸展位より有意に大きかった.高這位姿勢での体幹前傾角度による脊柱起立筋の筋活動は,Flexion-Relaxation Phenomenonに一致する特有な変化を示した.