2008 年 23 巻 1 号 p. 115-119
臨床評価実習を控えた3年生に対して模擬患者を導入した授業を試みた。模擬患者は上級生に協力依頼し,臨床実習で担当した片麻痺者を演じさせた。1グループ4~5名で理学療法評価を行い,評価結果から立案した理学療法プログラムを発表させた。アンケートによる授業評価も実施し,当該授業の在り方について検討した。模擬患者を導入したことで,全体像から各検査測定を選択実施して評価する姿勢が見られた。言葉遣いや態度をはじめ,検査測定方法,理学療法プログラムなどに関する同級生内の相互指摘が,学生にとって良い刺激かつフィードバックになった。当該授業は,学生にとって理学療法評価の流れなどのイメージ化や理解の向上に有効と考えられる。