理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
妊娠末期における歩行時の身体負荷量分析
武田 要勝平 純司高野 綾江幡 芳枝藤沢 しげ子
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2008 年 23 巻 5 号 p. 573-577

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抄録

〔目的〕妊娠末期の身体負荷量を含めた歩行特性を非妊婦と比較し,明らかにすることである。〔対象〕20~30代の健常な妊娠末期の妊婦と非妊婦8名を対象とした。〔方法〕3次元動作解析装置と床反力計を用いて,平地歩行での歩行速度,下肢体幹関節角度,下肢体幹関節モーメント,床反力を計測した。〔結果〕妊婦では,歩行速度が減少し,歩隔と体幹後屈角度が増加した。身体負荷量は,床反力の増加とともに股関節屈曲,外転,足関節底屈,体幹前屈モーメントが増加した。〔結語〕妊娠末期の歩行では,母体の質量増加と重心の前下方変位に伴い,歩隔,体幹後屈角度が増加し,股関節外転,足関節底屈筋群,股関節前面軟部組織,腹直筋の負荷量が増大することが示唆された。

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© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
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