抄録
〔目的〕脳性まひ(CP)児へのリハビリテーションが自律神経活動に及ぼす影響と健康児の自律神経活動を比較することを目的とした。〔対象〕CPの診断を受けた通院中の患児12例と同年齢の健康児9例を対象とした。〔方法〕患児群に抗重力姿勢活動を中心としたリハビリテーションを実施し,その前後において加速度脈波計の波形解析による自律神経系の評価を行った。健康児群に対しては安静時のみ測定を行った。〔結果〕患児群はリハビリテーション前後で変化を認めなかったが,軽症群,重症群の2群に分けて比較すると,重症群は変化を認めなかったのに対し,軽症群は有意に変化した(p<0.05)。リハビリテーション後の軽症群は健康児群との間に有意差は認められなくなった。〔結語〕抗重力姿勢活動を中心としたリハビリテーションは,CP児の自律神経系に対する刺激となり,健康児に近づくことから大切な治療と考えられた。