2008 年 23 巻 5 号 p. 671-675
〔目的〕本研究の目的は,歩行の同時定着期から一側支持となるまでの動きを想定し,徐々に体重を掛けさせたとき,股関節周囲筋(中殿筋,大殿筋上部線維,大腿筋膜張筋,内転筋)にどのような筋電図学的変化が表れるのか検討していくことである。〔対象〕対象は整形外科的疾患の既住のない健常成人19名とした。〔方法〕体重計を使用して一側下肢へ体重の20%,40%,60%,80%,100%と徐々に体重を掛けさせ,その時の中殿筋,大殿筋上部繊維,大腿筋膜張筋,内転筋の筋活動を測定した。〔結果〕実験の結果から中殿筋,大殿筋上部線維は荷重量の増加に伴い段階的に筋活動が増加する傾向となり,大腿筋膜張筋は荷重100%のみにて有意な筋活動が得られた。〔結語〕同時定着期から一側支持となるまでの間では中殿筋,大殿筋上部線維の筋活動が重要となると考えられる。