理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
半側空間無視例の車椅子操作に対するプリズム順応法の効果
渡辺 学網本 和
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2008 年 23 巻 6 号 p. 693-698

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抄録

[目的]半側空間無視に対する治療法については,効果の持続性と課題以外への汎化がみられるプリズム順応法が注目されているが,日常生活動作への影響については報告が少ない。本研究ではプリズム順応法が車椅子操作能力に効果が般化するか検討した。[対象と方法]左半側空間無視5例にプリズム順応法を行いその前後で車椅子による目標到達課題を行った。[結果]病巣が前頭-頭頂葉皮質下の症例で改善が良好であったが,下頭頂葉と上側頭回の皮質病変の症例では車椅子操作への効果は少なかった。[結語]プリズム順応は病巣部位により効果が異なるが,皮質下病変により左大脳半球機能が過剰に作用している症例には,プリズム順応法の効果が般化する可能性が示唆された。

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© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
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