2009 年 24 巻 4 号 p. 529-533
〔目的〕本研究の目的は,段差と加齢が母指・段鼻間距離に与える影響について明らかにすることである。〔対象〕対象は健常女性,若年群10名および地域在住の高齢群10名とした。〔方法〕運動課題を対象者自身の快適歩行条件下における段差5 cm,10 cmおよび15 cmの3条件の段差昇段とし,母指・段鼻間距離などを測定した。〔結果〕二元配置分散分析の結果,異なる段差が母指・段鼻間距離に影響を与えないことや高齢群の母指・段鼻間距離が若年群より大きくなることが明らかになった。〔結語〕段差昇段時の母指・段鼻間距離は,1段目の母指・段鼻間距離からフィードバックを受け,2段目以降の後続肢の調節を行うため,段差が異なっても影響を与えないことが示唆された。