理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
片膝しゃがみ位における側方からの外乱刺激に対する下肢機能の左右の相違
加藤 明未佐々木 誠
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2010 年 25 巻 3 号 p. 447-450

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抄録

〔目的〕本研究の目的は下肢機能の左右の相違を明らかにすることである。〔対象〕健常学生24名とした。〔方法〕片膝しゃがみ位における骨盤に対する重錘による外乱刺激を,利き脚を前に出して利き脚側から加えた場合,非利き脚を前に出して非利き脚側から加えた場合の2種類,利き脚を前に出して非利き脚側から加えた場合,非利き脚を前に出して利き脚側から加えた場合の2種類それぞれで重心動揺と床反力を比較した。〔結果〕重心動揺ではX方向(左右方向)最大振幅が,非利き脚を前に出して非利き脚側からの外乱刺激を加えた場合より,利き脚を前に出して利き脚側からの外乱刺激を加えた場合で有意に小さかった。また,床反力測定値で,Z方向(垂直方向)最大床反力が,利き脚を前に出して非利き脚側からの外乱刺激を加えた場合より,非利き脚を前に出して利き脚側からの外乱刺激を加えた場合で有意に小さかった。〔結語〕以上の結果より,非利き脚は外乱刺激に対して対処することに優れている脚であることが示唆され,利き脚と非利き脚の機能の相違の一部が示された。

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© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
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