25 巻 (2010) 6 号 p. 909-912
〔目的〕健常者において,両側上肢を用いて胸の前で同じ重量の荷物を運搬する際,荷物の中身が異なる場合,身体反応にどのような相違があるのかを明らかにすることである。〔対象と方法〕健常成人9名(男性5名,女性4名,平均年齢25歳)とした。方法は水平なトレッドミル上で,1 kgの重錘ベルト2個が入った缶を運搬する歩行(ベルト歩行)と,水をほぼ一杯に満たした500 ccの計量カップ2個に重錘ベルトを加えてベルト歩行と同重量の歩行(カップ歩行)を1.5 km/h(低速)と3.5 km/h(高速)の2条件で施行した。〔結果〕低速では,カップ歩行とベルト歩行間で,酸素摂取量のみに有意差が認められた。高速では,酸素摂取量,心拍数,歩行率すべてに有意差が認められた。〔結語〕両側上肢を用いて胸の前で同じ重量の荷物を運搬する際,荷物の中身が異なる場合では,速度により反応は異なるが,酸素摂取量,心拍数,歩行率に変化が生じることが示唆された。