2010 年 25 巻 6 号 p. 965-968
〔目的〕急性期脳卒中リハビリテーション患者の退院転帰の関連因子を抽出することを目的とした。〔対象〕脳卒中の治療を目的に入退院し,急性期のリハビリテーションを実施した患者135名を対象とした。〔方法〕退院転帰(自宅退院,転院)を目的変数とし,年齢,性別,リハビリテーション開始までの日数,在院日数,意識障害の有無,運動麻痺の有無,開始時FIM(Functional Independence Measure)を説明変数とした関連要因分析を行った。〔結果〕各項目との要因分析では,意識障害の有無,運動麻痺の有無,FIM点数との関連が認められ,意識障害がない者,運動麻痺がない者,FIMが高値な者が自宅退院していることが明らかになった。多重ロジスティック回帰分析では年齢,性別を調節後,FIM点数との関連が認められた。〔結語〕今後はFIM下位項目別の分析,家族状況,家屋状況とも合わせて分析し,予後予測および退院転帰決定のメカニズムを明らかにすることが課題である。