理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
起立運動を用いた運動負荷法の生理的運動強度
―健常な中高年期の男性と若年男性の比較―
上村 さと美秋山 純和
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2011 年 26 巻 1 号 p. 89-93

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抄録

〔目的〕健常な中年期から高年期の男性における起立回数(回/分)と生理的運動強度の関係を明らかにすることを目的とした。〔対象と方法〕対象は63から69歳の健常男性17名(以下,60歳代群)と,比較する対象として19から24歳の若年男性31名(以下,20歳代群)とした。方法は3分間ごとに起立回数が漸増するプロトコルを設定し,運動終了基準に到達するまで起立運動を負荷した。測定項目は呼気ガス諸量,心拍数,血圧とした。分析は群ごとに各起立回数における酸素摂取量,相対的心拍数,ダブルプロダクトの平均値を算出した後,各起立回数の生理的運動強度を捉えた。〔結果〕酸素摂取量,ダブルプロダクトは両群ともに起立回数に追随して増大したが,相対的心拍数は60歳代群では追随しなかった。〔結語〕60歳代群は,運動初期に収縮期血圧の上昇により,生理的運動強度を調整することが分かった。

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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