2011 年 26 巻 2 号 p. 287-290
〔目的〕短時間高強度運動負荷により肺の酸化ストレスが増大するのかどうかを検討した.〔方法〕健常若年者11名を対象とし,運動負荷として30秒間全力ペダリングを行うウインゲートテストを実施した.運動負荷前後に呼気凝縮液採取装置を用いて呼気凝縮液を採取し,活性酸素の指標である過酸化水素濃度と抗酸化防御機構の指標である抗酸化力はフリーラジカル評価装置を用いて測定した.〔結果〕運動負荷前後にて,過酸化水素濃度,抗酸化力はともに有意な変化を認めなかった.〔結語〕健常若年者において,肺の酸化ストレスは短時間高強度運動負荷によって増大しないことが示唆された.