理学療法科学
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症例研究
早期より理学療法を行った大腿骨頸部骨折偽関節患者の骨折部の状態とその日常生活活動(ADL)について
小林 正典
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2011 年 26 巻 2 号 p. 309-313

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抄録

〔目的〕頸部骨折偽関節患者の日常生活活動(Activity of Daily Living ;ADL)向上に対する保存療法の可能性を探るために,偽関節患者のリハビリ過程での経時的なADLと骨折部(偽関節部)の状態について検討を行った.〔方法〕4名の患者に入院初期より筋力訓練などの理学療法を行い,定期的にX線写真を撮影,その変化とADLの経過を比較検討した.〔結果〕4名全員が入院2ヶ月までに疼痛が低下して独力での立位が可能となった.またX線写真では,3名に偽関節の間隙の狭小化と石灰化を認め,この所見の出現と疼痛の低下の時期に関連が見られた.〔結語〕偽関節患者に対する早期の積極的な理学療法は,下肢筋力の低下を予防すると共に,骨折部の早期安定化を促し,患者のADLの改善につながると考えられた.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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