理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
寒冷刺激下での筋代謝受容器反射が循環応答に及ぼす影響
小西 華奈高橋 真河江 敏広對東 俊介堂面 彩加木村 達志関川 清一稲水 惇濱田 泰伸
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2011 年 26 巻 3 号 p. 405-409

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抄録

〔目的〕筋代謝受容器反射活動時に寒冷刺激を付加した際の循環応答を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常男子大学生9名であった.〔方法〕2分間の等尺性掌握(isometric hand grip;IHG)運動を最大随意筋力の30%の強度で行い,運動側上腕に対して2分間の運動後阻血(post exercise muscle ischemia;PEMI)を実施し,筋代謝受容器反射を活性化した.運動開始から駆血終了まで両足部を冷水に入れる寒冷刺激条件と,寒冷刺激を付加しない対照条件とで,連続指血圧測定装置を用いて計測した循環諸量を比較した.〔結果〕両条件とも,IHG運動中に血圧,心拍数は増加し,PEMI中に血圧は安静時より高値を維持し,心拍数は安静時レベルまで低下した.しかし,IHG運動中,PEMI中のどちらにおいても,両条件間で収縮期血圧,心拍数の応答に有意な差を認めなかった.〔結語〕筋代謝受容器反射活動時に寒冷刺激を付加しても循環応答には影響を与えないことが示唆された.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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