2011 年 26 巻 3 号 p. 423-427
〔目的〕大腿四頭筋マッスルセッティング時の等尺性筋収縮力に関する定量的評価指標として,水銀血圧計を用いて測定したセッティング圧の臨床応用について検討した.〔対象〕健常人24名(平均年齢20.3歳)のボールの蹴り脚24肢とした.〔方法〕10 mmHg毎の膝窩部の押しつけ圧上昇(セッティング圧P)を目標値とし,各試行時の等尺性筋収縮力(セッティング力F)を測定した.また,大腿四頭筋が筋力MMT3(fair)発揮時の膝伸展モーメントMとセッティング力Ffair(以下Ff)を,計算式にて算出した.〔結果〕セッティング力Fとセッティング圧Pの間には強い正の相関があった(F=0.716P+1.034).セッティング力Ffと膝伸展モーメントMの間にも強い正の相関があった(Ff=1.959M+5.699).〔結語〕セッティング圧は等尺性筋収縮力を反映していた.また,セッティング圧により大腿四頭筋の筋力MMT3の判定も可能であった.