理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
理学療法学科学生の実習終了後のストレス反応
─実習における対人ストレスイベントとレジリエンスに注目して─
中野 良哉山崎 裕司酒井 寿美平賀 康嗣栗山 裕司重島 晃史
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2011 年 26 巻 3 号 p. 429-433

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抄録

〔目的〕本研究では,実習での対人ストレスイベントが実習終了後のストレス反応に及ぼす影響及び対人ストレスイベントと学生のレジリエンス特性が有する防御因子との関係を明らかにすることを目的とした.〔対象〕学生58名を対象とした.〔方法〕3ヶ月間の臨床実習を2回経験した後,3週間目に心理的ストレス反応尺度,精神的回復力尺度,対人ストレスイベント尺度の調査を実施した.〔結果〕対人ストレスイベント尺度のうち,対人劣等と実習終了後の心理的ストレス反応尺度との間に有意な相関が認められた.また,精神的回復力尺度は心理的ストレス反応尺度と,対人ストレスイベント尺度との間にもそれぞれ有意な相関が認められた.〔結語〕実習中に経験したストレッサーとなりうる対人的なイベントが,実習終了後においても心理的ストレス反応に影響を及ぼすことが示唆された.また,学生のレジリエンス特性が,実習での対人ストレスイベントの中でも,対人劣等と対人摩耗を抑制することが示された.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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