理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
臨床教育に影響を与える性格的特性分析
─臨床実習前の課題解決に向けて─
堀本 ゆかり丸山 仁司黒澤 和生
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2011 年 26 巻 4 号 p. 541-547

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抄録

〔目的〕臨床実習教育に役立てるために,学生の性格特性を分析し,コーチング技法に結び付けることにある.〔対象と方法〕4年制専門学校に在籍する1~3年生166名とした.定期試験結果,生活態度およびPRESIDENT版「ビッグファイブ」性格シート,POMS短縮版,コーチングに基づく行動のチェック表を用いて調査を行い,臨床実習に影響を与える性格的特性と因果関係について検討した.〔結果〕PRESIDENT版「ビッグファイブ」で「神経症傾向」の学生は不安要素が強く,さらに日常的な気分特性では「緊張」「抑うつ」が高く,「活気」の値が低い傾向であった.この傾向は男子に著明であった.さらに本校ではコーチングタイプで「分析・観察型(アナライザー)」タイプの学生が多い傾向であった.〔結語〕学内教育では入学後早期にその性格的特性を把握し,見合ったコーチング技法によりサポートしていくことが望まれる.内面的なストレスを見極め十分な情報と時間を与えて行動変容を促すよう心がけることが重要であると考える.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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