2011 年 26 巻 5 号 p. 707-710
〔目的〕本研究では膝関節屈曲角度毎のBridge動作およびPuppy positionでの一側上肢前方挙上動作での大殿筋の筋活動について検討した.〔対象と方法〕成人男性15名を対象とし,膝関節70°,90°,110°,130°屈曲位からのBridge動作および両下肢非固定(Puppy 1)と両下肢固定(Puppy 2)のPuppy positionからの一側上肢前方挙上動作での右大殿筋筋活動を表面筋電図により測定した.〔結果〕Bridge動作では膝関節90~130°屈曲位では筋活動に有意差はなく,膝関節70°屈曲位は他の屈曲角度よりも有意に低い値であった.Puppy 1とPuppy 2では前者が有意に低く,Bridge動作とPuppy positionとの比較ではPuppy 1はすべてのBridge動作に対して有意に低い値を示し,Puppy 2は90°屈曲位および110°屈曲位とは有意に低い値となり,70°屈曲位および130°屈曲位との間には有意差はみられなかった.〔結語〕Bridge動作は膝関節90°~130°屈曲位で効率がよく,Puppy 1および2はそれよりも劣っていた.しかし,これらの方法は筋力強化肢位が限られている場合や総合的な筋力強化に活用できることが示唆された.