2012 年 27 巻 3 号 p. 291-296
〔目的〕高齢者向けマシントレーニングで,判定者の熟練度に依らない負荷見極め方法の確立を目指し,動作中加速度の時系列スペクトルから算出するエントロピーの有用性を検討した.〔対象〕ディサービス利用者21名とした.〔方法〕運動指導者による負荷見極めによる判定が,良好である動作と不良である動作それぞれにおいて算出したエントロピーを比較した.〔結果〕動作の範囲が負荷の増大とともに小さくなった6名を除いた比較で,不良と判定された動作において,統計学的に有意に大きなエントロピーが認められた.〔結語〕運動指導者による動作範囲の低下への注意に,このエントロピーを組み合わせると,より定量的な評価に基づく負荷の見極めが可能になる.