2013 年 28 巻 5 号 p. 597-600
〔目的〕脳卒中片麻痺者において,足底感覚への選択的注意が歩行立脚期での麻痺側下肢同時収縮に及ぼす影響を検討する.〔対象〕脳卒中片麻痺者7名.〔方法〕硬さの異なる4種のスポンジマットを用い,座位,閉眼にて足底で硬さを弁別する課題を試行した.課題前,課題直後,課題15分後にて麻痺側下肢の歩行時筋電図を測定し,立脚期での筋活動量,co-contraction index(CI)を算出した.〔結果〕課題前に比べ,課題直後で腓腹筋筋活動量,足関節CIに有意な減少が認められた.〔結語〕脳卒中片麻痺者において,歩行前の麻痺側足底感覚への選択的注意は,その直後の歩行時立脚期での同時収縮を軽減させることが示唆された.