2013 年 28 巻 6 号 p. 783-786
〔目的〕外的負荷に抗する課題の際の肩甲骨周囲筋活動の順序を測定することで,肩甲骨安定化のメカニズムを検討した.〔対象〕健常男性17名とした.〔方法〕課題は第一肢位での肩関節内外旋とし,与えられる外力に対して抗することを指示した.外力を与えるタイミングを予告する条件と予告しない条件を設定した.この課題中のGHJの動作筋,STJの動作筋,拮抗筋における筋活動開始までの時間を測定した.〔結果〕全ての課題において,GHJの動作筋とSTJの動作筋の筋活動開始時間に差はなく,STJの拮抗筋はGHJ,STJの動作筋と比べ有意に活動が遅かった.〔結語〕STJの動作筋はGHJの動作筋同様,外的負荷に抗する為の活動であると考えられた.STJの拮抗筋はSTJの動作筋の活動により変位する肩甲骨位置を制御していると考えられた.