2014 年 29 巻 3 号 p. 357-360
〔目的〕Trail making test簡易版(S-TMT)を作成し,日本語版(J-TMT)との関連性を検討した.〔対象〕武蔵台病院および介護老人保健施設日高の里において,理学療法を実施している高齢者29名と若年者18名とした.〔方法〕TMT part Aとpart Bの所要時間およびTMT比を求め,両テストの成績を比較した.〔結果〕両テスト間でTMTの所要時間およびTMT比は,いずれも中等度の相関を示した.TMTの所要時間は,S-TMTの方がJ-TMTよりも有意に短かったが,TMT比は有意な違いを示さなかった.〔結語〕S-TMTは2~3分で施行可能で,J-TMTとの相関も高いことから,注意機能の評価指標の1つとして臨床応用の可能性がある.