2014 年 29 巻 3 号 p. 367-370
〔目的〕床からの立ち上がりパターンと運動機能との関係を検討することとした.〔対象〕地域高齢者67名,年齢80.3 ± 7.0歳,身長149.2 ± 6.6 cm,体重51.2 ± 8.6 kg,BMI23.0 ± 3.7 kg/m2であった.〔方法〕床からの立ち上がりパターンを4つに分類し,床からの立ち上がり能力,等尺性膝伸展筋力,10 m歩行,timed up and go test(以下TUG),functional reach test(以下FR)を測定した.〔結果〕多重ロジスティック回帰分析の結果,上肢の使用の有無に影響する変数として,膝伸展筋力と10 m歩行が選択された.〔結語〕膝伸展筋力,FR,TUGが良好な値であるほど,より難易度の高い床からの立ち上がり動作が可能である.また,膝伸展筋力値と10 m歩行能力が上肢の使用の有無に関与すると考えられた.