2014 年 29 巻 5 号 p. 709-713
〔目的〕ストレッチングの前処置としての神経筋電気刺激(NMES)の有効性を検討することとした.〔対象〕健常者16名とした.〔方法〕ハムストリングスの伸張性向上を意図したIa抑制およびIb抑制に基づくNMES,NMESを実施しない介入(それぞれ,Ia-NMES,Ib-NMES,コントロール)を実施し,前後でのハムストリングスの筋硬度と長座位体前屈距離の変化の有無を条件間で比較した.〔結果〕ハムストリングの筋硬度の有意な減少を引き起し得たのはIb-NMESのみであった.一方,長座位体前屈距離については,Ia-NMESとIb-NMESの両者が,コントロールで出現した有意な減少を予防し得た.〔結語〕本研究結果は,NMESがストレッチングの前処置として有効であることを示唆する.