2014 年 29 巻 6 号 p. 1011-1015
〔目的〕要介護高齢者における身体機能の認識誤差と手段的日常生活活動(IADL)障害との関連性を明らかにすることとした.〔対象〕認知機能に障害のない要介護高齢者34名とした.〔方法〕身体機能認識能力を,前方最大リーチ距離からその予測値を減じて最大リーチ距離の認識誤差(ED)として算出する方法で測定し,その大きさの評価にEDの絶対値を用いた.老研式活動能力指標(TMIG)の手段的自立の項目を指標とするIADL障害の有無に対する身体機能認識能力の影響を,ロジスティック回帰分析により評価した.〔結果〕IADL障害ありに対するEDの絶対値のオッズ比は1.2(95%CI 1.01-1.49)であった.〔結語〕身体機能の認識誤差とIADL障害との関連性が示唆された.