2014 年 29 巻 6 号 p. 857-860
〔目的〕大殿筋,中殿筋の筋活動量を運動の違いで,股伸展,外転トルク値を肢位の違いで比較検討すること.〔対象と方法〕健常成人男性10名の大殿筋,中殿筋,大腿二頭筋,腰部背筋を導出筋とした.運動は股伸展と外転とし,側臥位での股屈曲90度,0度,伸展15度の3肢位で実施した.また運動時の股伸展,外転トルク値を測定した.〔結果〕大殿筋の筋活動量は伸展15度では伸展運動時に,屈曲90度では外転運動時に高値を示した.中殿筋の筋活動量に,差は認められなかった.股伸展トルク値は肢位の違いで差は認められず,外転トルク値は屈曲0度で高値を示した.〔結語〕大殿筋,中殿筋の解剖学的筋走行の特性が筋電図学的に裏付けられた.