2015 年 30 巻 1 号 p. 33-39
〔目的〕施設版FIM(geriatric functional independence measure:G-FIM)を作成し,その実用性を検討することとした.リハビリテーション職と介護職からのアンケート調査を元に行った.〔対象〕老健施設に所属するリハビリテーション職14名と介護職16名とした.〔方法〕両職業において,G-FIMとFIMとの間で,時間の早さ・使いやすさ・理解しやすさ・適切さの4項目の評価得点を比較した.〔結果〕リハビリテーション職ではFIMとG-FIMの間に有意な違いは見られなかったが,介護職では全ての項目でG-FIMの方が有意に高い得点を示した.〔結語〕G-FIMは介護職に対しては施設における利用者のADL評価を実施するうえで実用性をもつ評価尺度であることが示唆される.