2015 年 30 巻 3 号 p. 369-374
〔目的〕脳卒中重度片麻痺患者の入院時の患者属性,身体機能,運動機能から退院時の6分間歩行距離が予測できるか否か検討した.〔対象〕当院回復期リハビリテーション病棟入院時に脳卒中重度片麻痺を有した患者48名とした.〔方法〕患者属性,入院時の認知機能,神経症候,体幹機能,非麻痺側膝伸展筋力,歩行能力,日常生活活動を評価し,退院時6分間歩行距離との関連性を検討した.さらに,退院時の6分間歩行距離を従属変数,その他の評価項目を独立変数として,ステップワイズ法による重回帰分析を行った.〔結果〕退院時6分間歩行距離に有意に関連した評価項目は,年齢,発症から転院までの日数(転院日数),歩行能力であった.〔結語〕脳卒中重度片麻痺患者における退院時の6分間歩行距離は,入院時の歩行能力,年齢,転院日数から推測できることが示唆された.