理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
温熱療法で拘縮関節の可動性増加は得られるか?
─ラットによる実験的検証─
原口 脩平白根 歌織沖 貞明積山 和加子梅井 凡子高宮 尚美小野 武也
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キーワード: 関節拘縮, 温熱療法, ラット
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2015 年 30 巻 4 号 p. 489-492

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抄録

〔目的〕温熱療法直後における拘縮関節の可動性増加の有無を検証した.〔対象〕Wistar系雌ラット(8週齢)12匹とした.〔方法〕ラットの右側後肢足関節を,最大底屈位で1週間ギプス固定した.温熱療法群とコントロール群に分け,前者に対しては渦流浴を実施した.その後,両群のラットの足関節に対して,他動的に最大背屈させる際の最大抵抗力を測定した.〔結果〕最大抵抗力の中央値は温熱療法群で2.8N,コントロール群は3.0Nであり,両群間に有意差は認められなかった.〔結語〕温熱療法直後において,拘縮関節の可動性増加は認めないことから,温熱療法によるコラーゲン線維の伸張性増加は不十分であると考えられる.

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© 2015 by the Society of Physical Therapy Science
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