2015 年 30 巻 4 号 p. 499-502
〔目的〕中間座位と後傾座位において胸郭拡張差と上下胸郭体積変化について検討することを目的とした.〔対象〕若年男性12名とした.〔方法〕三次元動作解析装置を用い胸郭拡張差と胸郭体積変化を算出した.胸郭拡張差の測定は,第3肋骨と第10肋骨の高さとし,胸郭体積変化は胸骨剣状突起より上部を上部胸郭,下部を下部胸郭とした.〔結果〕上下部胸郭の体積変化は,中間座位で上部胸郭が下部胸郭に対して有意に大きく,後傾座位で上部胸郭,下部胸郭に対して有意な減少を示した.〔結語〕後傾座位では上部胸郭の体積変化が大きく減少し,この体積減少が肺活量および最大吸気量低下の要因になることが示唆された.