2015 年 30 巻 4 号 p. 563-567
〔目的〕脳卒中重度片麻痺患者の退院時の日常生活活動(ADL)が,回復期リハビリテーション病棟入院時の患者属性および身体機能から予測できるか否かを検討することである.〔対象〕入院時に麻痺側下肢Brunnstrom Recovery StageⅡ以下の62名とした.〔方法〕退院時のADL能力となるBarthel Indexを基に分類された部分自立群(60点以上)と介助群(60点未満)との間で,入院時の患者背景(年齢,疾患名,障害名,転院待機日数),認知機能(MMSE),神経症候(NIHSS),体幹機能(TCT),非麻痺側膝伸展筋力を比較した.次に,2群間で有意差を認めた項目を用いて,退院時のADL能力の部分自立/介助について判別分析を行った.〔結果〕単変量解析では,年齢,転院待機日数,体幹機能,非麻痺側膝伸展筋力において2群間で有意差が認められた.判別分析では,年齢,転院待機日数,非麻痺側膝伸展筋力が選択された.〔結語〕これらの患者背景および身体機能から退院時ADLを予測することができると考えられる.