理学療法科学
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原 著
高齢者の下肢敏捷性とその他の運動機能および移動動作能力との関連
小林 薰柊 幸伸
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2015 年 30 巻 6 号 p. 829-832

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抄録

〔目的〕下肢の敏捷性とその他の運動機能および移動動作能力との関係を明らかにする.〔対象〕体力測定会に参加した高齢者65名(男性17名,女性48名)であった.〔方法〕運動機能評価の項目には開閉ステッピングテスト(ステッピング),30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30),Functional Reach Test (FRT)を,移動動作能力の評価には5 m最大歩行時間(5 m MWT)とTimed Up & Go Test (TUG)を用いた.5 m MWTとTUGを従属変数,そのそれぞれに対して各運動機能を独立変数とする重回帰分析を行った.〔結果〕5 m MWTに対して有意な影響をおよぼす因子としてCS-30とFRTが,TUGに対してはこれに加えてステッピングも抽出された.〔結語〕下肢筋力やバランス能力は歩行という観点では重要な因子であるものの,動作の切り換えが要求される条件下では下肢の敏捷性が重要な因子となる.

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© 2015 by the Society of Physical Therapy Science
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