2015 年 30 巻 6 号 p. 857-860
〔目的〕ボリビアにおける高齢者の身長,前腕長,下腿長を日本人と比較し,ボリビア人の特徴を明らかにすること.〔対象〕60歳以上のボリビア人28名と日本人40名とした.〔方法〕国(ボリビアと日本)と性を要因として,年齢,身長,身長に対する前腕長,下腿長の割合を二元配置分散分析で検討した.〔結果〕年齢は日本人が,身長は両国とも男性が有意に高かった.また,身長に対する前腕長の割合はボリビア人男性が,身長に対する下腿長の割合はボリビア人が有意に大きかった.交互作用はいずれにも認められなかった.〔結論〕ボリビア人は,日本人と比較し身長に対する前腕長および下腿長の割合が大きく,人種差が影響していると推察された.理学療法における福祉用具の処方や形態測定値の応用の際には,体格の違いを考慮する必要があると考えられた.