2015 年 30 巻 6 号 p. 881-885
〔目的〕理学療法学科1年生における学年末の試験成績と大学生活不安尺度の経時的変化との関係を調査した.〔対象〕平成27年2月現在,4年制大学の理学療法学科に在籍する1年生88名とした.〔方法〕5月,10月,翌年2月の3回,大学生活不安尺度を調査した.学年末試験の結果から不合格科目数の多寡により成績良好群と不良群の2群に分け,群間,群内で比較した.〔結果〕群間比較の結果,5月には差を認めず,成績不良群の2月は大学生活不安尺度の日常生活不安,大学不適応,総合の得点がそれぞれ有意に高値であった.成績不良群の大学不適応は群内比較において有意差があり時間経過とともに高値を示した.〔結語〕成績不良の学生ほど不安が強く,1年在学中に大学不適応が徐々に増大していることが分かった.