2016 年 31 巻 4 号 p. 609-613
〔目的〕脳卒中片麻痺患者の上肢運動機能に対するミラーセラピー(Mirror therapy; MT)の効果を麻痺側手指伸展の随意運動の有無別に検討すること.〔対象と方法〕無作為化比較試験でMT群と対照群に割り付けられた回復期脳卒中患者14名を,介入前のFugl-Meyer Assessment(FMA)を基に手指伸展不能群6名と手指伸展可能群8名に層別化した.層別にMT群と対照群のFMAとWolf motor function testの得点変化量を比較した.〔結果〕手指伸展可能群ではMT群の手指運動機能が対照群に比べ有意に改善したが,手指伸展不能群では群間差はなかった.〔結語〕脳卒中片麻痺患者に対するMTは麻痺側手指伸展の随意運動が可能な患者群の手指運動機能に有効である可能性が示唆された.