2016 年 31 巻 4 号 p. 615-620
〔目的〕地域在住虚弱高齢者に対してFour Square Step Test(FSST)を実施することで6ヵ月後の転倒を予測することが可能かどうかを調査した.〔対象と方法〕通所リハビリテーションを利用する65歳以上の虚弱高齢者42名とした.ベースライン調査を行い,その後6ヵ月間の追跡調査にて転倒発生の有無を調査し,FSSTの妥当性,感度・特異度を算出した.〔結果〕FSSTは虚弱高齢者の歩行速度と他の動的バランス能力との相関が見られたが,転倒発生の有無とは関連がなく,感度・特異度も低く転倒発生の予測はできなかった.〔結語〕虚弱高齢者に対するFSSTの使用では,転倒発生のスクリーニング評価としては不十分であると考えられたが,結果の一般化には慎重でなければならない.