2016 年 31 巻 5 号 p. 651-654
〔目的〕両脚運動後の筋疲労の程度と回復特性について,利き足と非利き足で差がみられるのか否かを明らかにし,運動処方の一助とすることとした.〔対象と方法〕対象は健常成人11名とした.自転車エルゴメータ駆動後600秒における外側広筋の血中酸素動態をNIRSにより評価し,疲労の程度を意味するtotal-Hb(ΔHbts)について,利き足と非利き足の推移と左右差を分析した.〔結果〕利き足と非利き足を問わずΔHbtsの推移には有意差を認めなかったが,左右差においてはΔHb360sで利き足が有意に高く,ΔHb240s以降で有意ではないものの高くなる傾向を示した.〔結語〕理学療法の両脚運動課題では,筋活動ならびに筋疲労における利き足の優位性を考慮することが有用となる可能性がある.