2016 年 31 巻 5 号 p. 667-671
〔目的〕介護職員の作業関連性腰痛が介護動作に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕障害者支援施設9施設の介護職員246名.基本属性,経験年数,作業関連性腰痛の有無,腰痛対策の有無と実施内容,介護動作の実行状況について質問紙調査を実施した.仕事での腰痛の有無で2群に分け群間比較をした.〔結果〕作業関連性腰痛を有する者は147名(59.8%)であった.作業関連性腰痛を有する者はそれを有さない者に比べて年齢が有意に高く,腰痛対策を実施していた.介護動作は,群間に有意差はみられなかった.〔結語〕作業関連性腰痛は介護動作に影響を与えない可能性が示唆された.