理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
関節固定により発生する関節拘縮に後肢懸垂が与える影響
—ヒラメ筋と皮膚の伸張性に関する検討—
佐藤 勇太小野 武也石倉 英樹相原 一貴松本 智博田坂 厚志梅井 凡子積山 和加子沖 貞明
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2016 年 31 巻 5 号 p. 755-758

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抄録

〔目的〕本研究は,関節固定および関節固定と後肢懸垂を同時に実施した場合のそれぞれの骨格筋と皮膚の伸張性の変化を調査することとした.〔対象と方法〕対象はWistar系ラットとし,固定群と固定懸垂群に分けた.実験開始前と1週間後,右足関節背屈角度を測定した.1週間後,右ヒラメ筋と右足関節後部の皮膚の伸張性を評価した.〔結果〕1週間後において,足関節背屈角度の減少は両群に生じており,固定懸垂群の方が固定群と比較して著明であった.ヒラメ筋の伸張性は,固定懸垂群の方が固定群と比較して低下値を示した.皮膚の伸張性は両群間で有意差がなかった.〔結語〕関節固定と後肢懸垂によって発生した関節拘縮は,関節固定のみを実施した場合と比較して,骨格筋の伸張性が低下することで増悪することが明らかとなった.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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