理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
入院または施設入所中の長期療養高齢者における日常生活動作の特性について
有竹 洋平吉松 竜貴佐島 毅
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2016 年 31 巻 6 号 p. 897-905

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抄録

〔目的〕日常生活動作(ADL)に介助を要する入院・入所高齢者において,下位項目の難易度からADLの特性を明らかにすることとした.〔対象と方法〕入院もしくは入所中の高齢者111名とした.食事,排泄,移乗,移動の4動作を,各動作を分解してできる全141の下位項目から成る評価表で評価した.項目毎に3件法で難易度を求め,動作間で比較した.また,難易度の階層に沿って下位項目を並べ,難易度の特性を検討した.〔結果〕食事の動作は他の3動作よりも有意に難易度が低かった.高い立位バランス能力が必要な下位項目において,そうでない項目と比べ難易度が高かった.〔結語〕基本的ADLに介助を要する入院・入所高齢者のADLは動作によって難易度が異なる.同じ動作の要素間でも難易度が異なることにも留意すべきである.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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