2017 年 32 巻 2 号 p. 189-194
〔目的〕ロボットスーツHAL®を用いた歩行練習時の速度条件の違いが,練習後の歩行速度に及ぼす影響を明らかにすること.〔対象と方法〕当院回復期リハビリテーション病棟入院中の初発脳卒中患者13名とした.HALを装着し,快適速度での歩行練習と,速度を増加した歩行練習を1日おきに1施行ずつ実施した.評価は10 m歩行テストとし,各歩行練習の前後および高速度歩行練習の2日後に実施した.〔結果〕快適歩行速度での練習では変化を認めなかったが,高速度歩行練習後では,即時的,2日後ともに最大歩行速度の有意な改善を認めた.〔結語〕脳卒中者において,HALを用いて練習時の歩行速度を増加した方が,練習後の歩行速度の改善が得られやすいことが示唆された.